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4 posts tagged with "book"

本に関すること

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メタメタに考えるきっかけを得たこと

· 5 min read
Ikuya Yamada
non-stack engineer

社会科学系の文献を読んでいると、時折形而上学が顔を出す。「〜は形而上学な話であって」「形而上学的な議論によると、」といった具合である。

シンプルな漢字の組み合わせ(而は漢文くらいでしか見かけないが、形状としてはシンプルである)である用語だが、それゆえ頭を悩ませることが多かった。シンプルにこの用語の意味がわからないのである。

まずは読み方から確認しておくと、「けいじじょうがく」である。毎度辞書で調べてみても、それが結局具体的に何を指しているのか、身に染みて理解することはできなかった。

柔らかな見た目の漢字の組み合わせに反して、こんな感じの意味だろう、ということも連想されない。

そこで初心者マーク付きの形而上学本を探して読んでみることにした。

スティーヴン・マンフォード [著]ほか. 形而上学, 岩波書店, 2017.12, (哲学がわかる). 978-4-00-061240-1. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I028655858

堂々と語ること

· 5 min read
Ikuya Yamada
non-stack engineer

読んでいない本について堂々と語っていいのだと知った。

ピエール・バイヤール 著ほか. 読んでいない本について堂々と語る方法, 筑摩書房, 2016.10, (ちくま学芸文庫 ; ハ46-1). 978-4-480-09757-6. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I027622938

ある本について語るには、その本を読む必要はない、というよりも積極的に読まないことを勧めている。

そもそも読んでいることと読んでいないことの境目があやふやであること、そして「語る」という行為に必ずしも「読む」ことが求められないという主張がされる。

そして批評という営みが創造性にあふれたものであること、本を語っているつもりで、その実語っているのは批評者自身のことなのであると言われる。テーマとしている本・映画・劇はそのきっかけに過ぎない。

面白いと思った点が二点ある。 一点目は本書での著作の引用の仕方について。

ロジカルであること

· 3 min read
Ikuya Yamada
non-stack engineer

ロジカルであることとは一意に定義可能だと思っていた。ロジカルに物事を考え、雄弁に語れる人と(そうでない)自分とは何が違うのだろうと考えることもあった。

「論理的思考とは何か」という本を読んだ。

渡邉雅子 著. 論理的思考とは何か, 岩波書店, 2024.10, (岩波新書 新赤版 ; 2036). 978-4-00-432036-4. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I033709265

アメリカ、フランス、日本、イランの作文教育に注目しつつ、それぞれの国で実施される作文技術の教育を紹介し、それぞれの地域における「論理的であること」を丁寧に説明してくれる。

無知の知について知らなかったこと

· 3 min read
Ikuya Yamada
non-stack engineer

無知の知 という言葉自体はずいぶん前から知っていた。 なんとなく、「この世は広く、知らないことだらけだと知り、謙虚に生きていこう」くらいの意味で捉えていた。

最近読んでいる本

千葉雅也 [ほか] 著ほか. 哲学史入門 1, NHK出版, 2024.4, (NHK出版新書 ; 718). 978-4-14-088718-9. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I033402902

の納富さんのところで、ソクラテスの例の言葉は 無知の知 ではなくて 不知の自覚 という言葉を使うべきだろうと主張されている