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Ikuya Yamada
non-stack engineer
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とあるメガネをかけること

· 5 min read
Ikuya Yamada
non-stack engineer

ぼんやりと見えるものを、もうすこしはっきりと見たいとき、①ものを手元に近づけてみたり、②眼鏡をかけてみたりする。

はっきりと見たいが(色々な理由で)そばには寄りたくない・近付くことができないときは②眼鏡をかける が選択される。

ぼけーっと生きていても、一生懸命に暮らしても、どのようなライフスタイルであっても生きている限りはトラブルに遭遇する。そして、多くの場合トラブルの根本原因を探っていくと人間関係に帰結するのではないか、という気がする。

自分でない誰か同士が争っているようなとき、近寄りたくない・巻き込まれたくはないが、かえってそういうときに関心が引かれてしまいがちで、火の粉を浴びない程度の距離で遠巻きに眺めている分には実際面白いものであったりする。

ところでところで、「東大政治学 = TODAI POLITICAL STUDIES」という本が昨年出版されており、パラパラと読んでみると、人間社会に政治がなくならない理由として三つの要素が挙げられている。

東京大学法学部「現代と政治」委員会 編. 東大政治学, 東京大学出版会, 2025.9. 978-4-13-033111-1. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I033694650

gjモードを使うこと

· 3 min read
Ikuya Yamada
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Vimで文章を書いていると、j, k で上下に移動したときに思ったより激しくカーソル移動してしまうことがある。長い文章を書くとウィンドウの右端で折り返されるのだが、システム観点ではそこでは改行は発生しておらず、あくまで表示の都合で折り返されているだけであり、人間とパソコンの意図が一致しないために起きるちょっとした不幸といえる。

こういう場合、j, k の前にgを入力する、つまり g j, g k とストロークすることで想定通り移動はできるのだが、毎回二種類のキーを打つのはとてもストレスであり、かつ実際上これに悩まされることが多かったので、g, k をそれぞれ g j g k にマッピングする設定を .vimrc に入れている。

another-myself

· 2 min read
Ikuya Yamada
non-stack engineer

新幹線に乗って出勤中、ふと考える。

今私はのみかけのコーヒーを視野に入れつつ、本を読んでいるのだが、

自宅にもう一人自分がいて、仕事を進めていてくれたら便利なのではないかと。

その自分は、分割した時点までの記憶を私と共有しており、本日のtodoも当然頭に入っているので、チェックリストの上から一つ一つ仕事をこなしてくれる。

とはいえ、各タスクを消化する中で出会う発見、新たに得た知識、忘れたこと、下した判断、そうしたものは見ることができない。

メタメタに考えるきっかけを得たこと

· 5 min read
Ikuya Yamada
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社会科学系の文献を読んでいると、時折形而上学が顔を出す。「〜は形而上学な話であって」「形而上学的な議論によると、」といった具合である。

シンプルな漢字の組み合わせ(而は漢文くらいでしか見かけないが、形状としてはシンプルである)である用語だが、それゆえ頭を悩ませることが多かった。シンプルにこの用語の意味がわからないのである。

まずは読み方から確認しておくと、「けいじじょうがく」である。毎度辞書で調べてみても、それが結局具体的に何を指しているのか、身に染みて理解することはできなかった。

柔らかな見た目の漢字の組み合わせに反して、こんな感じの意味だろう、ということも連想されない。

そこで初心者マーク付きの形而上学本を探して読んでみることにした。

スティーヴン・マンフォード [著]ほか. 形而上学, 岩波書店, 2017.12, (哲学がわかる). 978-4-00-061240-1. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I028655858

思っていること

· 2 min read
Ikuya Yamada
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何かを言明するとき、実は後に続く「〜と思う」が隠されている。

スマトラコーヒーは香ばしい と述べるとき、スマトラコーヒーは香ばしいと思う が正確な記述であり、

もっと客観的に思えること、例えば、日本は47の都道府県からなる、というような事実を述べるときも

日本は47の都道府県からなる(と私は思う) と言っているのである。

堂々と語ること

· 5 min read
Ikuya Yamada
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読んでいない本について堂々と語っていいのだと知った。

ピエール・バイヤール 著ほか. 読んでいない本について堂々と語る方法, 筑摩書房, 2016.10, (ちくま学芸文庫 ; ハ46-1). 978-4-480-09757-6. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I027622938

ある本について語るには、その本を読む必要はない、というよりも積極的に読まないことを勧めている。

そもそも読んでいることと読んでいないことの境目があやふやであること、そして「語る」という行為に必ずしも「読む」ことが求められないという主張がされる。

そして批評という営みが創造性にあふれたものであること、本を語っているつもりで、その実語っているのは批評者自身のことなのであると言われる。テーマとしている本・映画・劇はそのきっかけに過ぎない。

面白いと思った点が二点ある。 一点目は本書での著作の引用の仕方について。